東京ディズニーリゾートで”1番怖い”アトラクション『タワー・オブ・テラー』。
乱高下を繰り返すフリーフォール型の絶叫系アトラクションとして有名な『タワーオブテラー』ですが、その裏には“隠されたホラー要素満載のストーリー”があるのはご存じでしょうか。
アトラクションに乗る時に聞くストーリーは、実は要約されていて、その全貌は説明されていないのです。
『タワー・オブ・テラー』のストーリーの全貌を知れば、怖さ倍増で今までよりさらに楽しくなります!
本ブログでは、『タワー・オブ・テラー』のバックグラウンドストーリーや呪いの偶像として登場する『シリキ・ウトゥンドゥ』について解説します。
●タワー・オブ・テラーのストーリー
●シリキ・ウトゥンドゥについて
●タワー・オブ・テラーの小ネタ
タワテラに限らずですが、アトラクションにはバックグラウンドストーリーが存在するものもあるので、背景をしると今までとは違った楽しみ方ができます。
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タワー・オブ・テラーのストーリー解説!
まず、『タワー・オブ・テラー』に乗るときに紹介される基本のストーリーを紹介します。
そこで、ロシアの建築家”オスカー・キルノフスキー“にデザインを依頼しますが、キルノフスキーが提案したスタイリッシュなデザインが気に入らず激怒、解雇してしまうのです。
自己顕示欲が強く、傲慢なハイタワー3世は、自分でデザインをすることにし、結果ニューヨーク全体を見下ろせる支配欲、野望あふれるホテルにすることにしました。
1889年になり、高さ59メートル、14階建ての『ホテルハイタワー』が完成しました。
ハイタワー3世は、世界中の珍しい物をコレクションするのが趣味な、冒険家としての一面もありました。
よく執事の”アーチボルト・スメルディングス“と一緒に世界中へ足を運び、骨董品や美術品を集めていました。
ある日アフリカのコンゴ川流域に住むムトゥンドゥ族から呪いの偶像と呼ばれる『シリキ・ウトゥンドゥ』に目を付けます。
シリキ・ウトゥンドゥには、恐ろしい掟があり、掟を破ると災いが起こると言われていました。
しかし、呪いや伝説なんか信じないハイタワー3世は、ムトゥンドゥ族の長”キジャンジ“をだまし、ムトゥンドゥ族からシリキ・ウトゥンドゥを強奪してしまいます。
そして1889年の大晦日、ホテルハイタワーに帰還後に、シリキ・ウトゥンドゥのお披露目会として記者会見を行いました。
会見には、国際会報配信エクスプレス・サービスの記者”ギルバート・ミッチェル“や、ニューヨーク・グローブ通信の新聞記者”マンフレッド・ストラング“手練れの記者もたくさん集まりました。
会見では、記者から呪いについての質問もありましたが、「呪いなど馬鹿馬鹿しい」とまったく信じず、馬鹿にしたような回答をしてしまいます。
会見が終わって、ハイタワー三世はシリキ・ウトゥンドゥを持ってホテルハイタワーの最上階にある部屋に戻ろうとしました。
そして、「偶像の呪いに気を付けろ」と言う執事のスメルディングの助言を笑い飛ばし、「呪いが存在するなら見せてみろ」と、吸っていたタバコの火を偶像に押しつけたのです。すると突然、ホテルが停電、緑色の稲妻が落ちてハイタワー三世の乗ったエレベーターは一気に1階まで急降下…。
近くに居合わせた執事のスメルディングと新聞記者のストラングがエレベータに向かうと、不思議なことにエレベーターの中にハイタワー三世の姿はなく、シリキ・ウトゥンドゥとハイタワー三世の帽子だけが残っていたのです。
事件後、ホテルハイタワーは閉鎖され、『タワー・オブ・テラー(恐怖のホテル)』と呼ばれるようになります。
ストラングは、事件の真相を突き止めるべく、ムトゥンドゥ族の首長キジャンジの息子”キブワナ“に取材するも、手掛かりは見つけられず、ハイタワー3世の失踪の真相は不明のまま時が過ぎていきました。
さらに月日が流れ、閉鎖されたホテルの見学ツアーが、ニューヨーク市保存協会によって開催されることとなります。
私たちゲストは、そのツアーに参加しハイタワー三世の失踪の謎に迫るため、業務用エレベーターで最上階にある彼の部屋へと向かうこととなるのです。
これが、『タワー・オブ・テラー・』のストーリーです。
なんとなく聞き覚えのある部分もあれば、聞きなれない単語や人物、物語の背景もあったかと思います。
ここからは、『タワー・オブ・テラー』ストーリーについて、深堀していきます。
タワー・オブ・テラーはもともと「ホテルハイタワー」
前述のストーリーでもチラッと出てきますが、『タワー・オブ・テラー』はもともと『ホテルハイタワー』という名前でした。
『ホテルハイタワー』はニューヨークの一等地に建てた、高さ59メートル、14階建ての巨大なホテルです。
1886年、ホテルのオーナーでもある”ハリソン・ハイタワー三世”は、父から受け継いだ自宅をホテルに改装するため、気に入った建築家へデザインを依頼しました。
依頼したはいいものの、事故顕示欲が強く傲慢なハイタワー三世は、ニュー欲全体を見下ろせる、威圧感のあるホテルへと自分でデザインしてしまいます。
ホテルの外観をよく見ると、かなり奇抜というか、ごちゃごちゃしたデザインをしていることに気が付くと思います。
これもハイタワー三世の傲慢な性格故で、気に入った建築家に依頼してはワガママ言って解雇してを繰り返したからと言われています。
そのようなことを繰り返した結果、ゴシック風、イスラム風、インド風など世界中様々な建築様式が取り入れられた外観になりました。
また、ホテルの上のほうが横に少し出っ張った、バランスの悪い造りになっていますが、これは完成間近でハイタワー三世が部屋を拡張したいと言い出したためです。
ホテルハイタワーが残っている理由
ホテルハイタワーのオーナー”ハイタワー三世”が亡くなっても、ホテルが健在なのはなぜでしょうか。
呪いともいえる奇妙な事件があったのだから、建て壊してもおかしくない気がしますが、ホテルハイタワーがたわー・オブ・テラーと名を変えてまで残っている経緯を解説します。
上記で紹介したストーリーで、ハイタワー3世が謎の失踪を遂げてから、ニューヨーク市保存協会がホテルの見学ツアーを開催するまでには、次のような物語があったのです。
エンディゴットは、ニューヨーク・グローブ通信の経営者であり、豪華客船S.Sコロンビア号の持ち主です。
S.Sコロンビア号の出航セレモニーに”セオドア・ルーズヴェルト大統領”や”ウィリアム・ハワード・タフト大統領”を招待して話題を作るためだったともいわれています。
しかし、エンディコットの娘”ベアトリス・ローズ・エンディコット”がホテルハイタワーの取り壊しに反対します。
というのも、ローズは、子供の頃に”チェスター・ファリントン・ウールブール”の書いたハイタワー3世の冒険物語「ハイタワー三世 真実の冒険物語」を読んでから、ハイタワーを崇拝していたのです。
ローズは、友人のアイリスとともに、「ニューヨーク市保存協会」を設立し、価値のある建築物として、ホテルハイタワーを残すことにしました。
1912年、ローズの設立したニューヨーク市保存協会により、ハイタワー3世の謎を探るために業務用エレベータに乗り込み、ハイタワー3世のコレクションやプライベートルームを見学すると言う、見学ツアーが企画されます。
以上が、ハイタワー3世がいなくなった後の、『ホテル・ハイタワー』のストーリーです。
シリキ・ウトゥンドゥって何者
『タワー・オブ・テラー』のストーリーの中でも特に重要な、呪いの偶像『シリキ・ウトゥンドゥ』とはいったい何なんでしょうか。
ここで、シリキ・ウトゥンドゥについて、詳しく解説をしていきます。
『シリキ・ウトゥンドゥ』とは、前述のストーリでも少し触れたように、アフリカのコンゴ川流域に住む”ムトゥンドゥ族”が祀っていた偶像のことです。
シリキ・ウトゥンドゥは、部族の言葉(スワヒリ語)で「災いを信じよ」の意味を持ち、別名「呪いの偶像」とも言われています。
また、所有者には、必ず守らなくてはならない”崇拝の掟“というものが8つあり、これを破ると災いが起きると言われていました。
1.敬い、崇拝すること
2.火に近づけたり、燃やさないこと
3.閉ざされた場所にしまわないこと
4.おろそかにしないこと
5.馬鹿にしないこと
6.埋葬したり、捨てたり、他の人へ譲渡しないこと
7.放置しないこと
8.そして何より、恐れること
ハイタワー三世は、ほとんどの掟を破っていますね。
これは、呪われても自業自得としか言えない気もします…。
本当はシリキ・ウトゥンドゥを手放したかった?ムトゥンドゥ族のその後
前述したように、シリキ・ウトゥンドゥには恐ろしい掟がありました。
ムトゥンドゥ族の首長キジャンジは、”.埋葬したり、捨てたり、他の人へ譲渡しないこと”という掟に従い、ハイタワー3世に譲渡するのを1度は断っています。
しかし、「譲渡する」ではなく、ハイタワー3世に「強奪」されたという形で偶像を手放してしまうのです。
しかし、シリキ・ウトゥンドゥにはそんな言い訳のようなことは通用せず、キジャンジには呪いが降りかかり、他部族の奇襲に会い一族は絶滅してしまいました。
やはり、呪いの偶像はムトゥンドゥ族にとっても傍に置いておきたくないものだったのですね。
上手いこと考えたと思いましたが、呪いにトンチは通用ませんでしたか…。
ハイタワー3世のコレクションが見れるタワー・オブ・テラーの庭園
タワー・オブ・テラーには、建物左側に2つの庭園があります。
待ち時間が100分を超えるくらいの時になると、スタンバイ列として利用されるので、知らなかったという人もいるかもしれません。
手前にあるのが『瞑想の庭園』、奥が『インドの庭園』と名付けられています。
この庭園には、ハイタワー3世が世界中から集めたコレクションが飾られています。
ハイタワー3世失踪前は、ウォーターフロントパーク園芸協会の会長賞を受賞したくらい美しい庭園で有名でした。
しかし、ハイタワー3世失踪から13年間、ほとんど手入れされず、草木は伸び、像もボロボロになってしまいます。
屋上には、『太陽の庭園』という庭園がもう1つあるのですが、こちらは見ることができません。
普段『タワー・オブ・テラー』はファストパスを利用して乗っている、待ち時間が長い時は乗らない、という方も多いと思います。
機会があれば、庭園を見るためにスタンバイ列に並んでみるのもオススメです。
瞑想の庭園
瞑想の庭園には、ハイタワー3世が世界各地から集めた女神や女王などの彫像が9体飾られています。
これらの彫像を瞑想の庭園の入り口より時計回りに紹介します。
庭園入り口には、女性の頭と獣の体を持つ”ヴェネチアのスフィンクス像“があります。
次に、ヒンドゥー教・インド神話の女神”カーリー像“。
カーリーは、「災いから人々を守護する」、「自ら災いをもたらす」という二面性を秘めた女神です。
カーリー像を表裏から見てみると表情が異なり、生と死を意味する女神だと分かると思います。
竜の子を抱いている”聖アーデン像“。
毒蛇を持つ”クレオパトラ像“。
庭園の手入れがされなかったため、像が倒れ草木に隠れてしまっています。
ペルシアの羽の生えたスフィンクス像。
ペルシアのスフィンクス像は、ほとんどが男性で女性のものは珍しいそうです。
いかにもハイタワー3世が狙いそうですね。
また、このスフィンクス像の土台には、「肩の荷を降ろし、休息に立ち寄ったこの静かな木陰を共有しよう」と書かれています。
純粋に優しさからの言葉なのか、自慢したさからでた言葉なのか勘ぐってしまいますね。
“アステカの戦いの女神“。
倒れないように添え木で支えられています。
先程のクレオパトラ像は倒れたままなのに、こちらの像はちゃんと支えがされているんですね。
脚のみが残る古代ローマの愛の女神”ヴィーナス像“。
頭部が失われた古代ギリシャの愛の女神”アフロディーテ像“。
インド川の女神”ターラー像“。
そして、骨董品とは別に、庭園の中ほどには、書きかけのキャンバスがあります。
この絵に描かれている女性は、前述のタワー・オブ・テラーのストーリーに登場した”ベアトリス・ローズ・エンディコット”です。
インドの庭園
瞑想の庭園の奥には、『インドの庭園』のがあり、ハイタワー3世がインドで収集した彫像や壁画が飾られています。
ヒンドゥー教の破壊の神”シヴァの像“。
インディアンタワーの壁には、”2つの軍隊が闘う様子を描いた壁画“。
先端に蛇の頭の羽を持つ”孔雀の噴水“もあります。
タワー・オブ・テラーのトリビア!知れば怖さ倍増?
タワー・オブ・テラーには、ストーリーには直接関係ないものの、小ネタ・トリビアが散りばめられています。
思わずゾッとしてしまうものから、クスッと笑ってしまうものなど様々です。
タワー・オブ・テラーにまつわる「13」という数字
上記でタワー・オブ・テラーのストーリーを紹介しましたが、年号を確認すると、”13“という数字が隠されています。
さらにその13年後の1912年にホテルの見学ツアーがスタート。
また、ストーリーで登場した人物の人数は13人。
偶然なのか、13という数字がここまで頻繁に出てくると不気味ですね。
ハイタワー3世の欲がスゴイ
タワー・オブ・テラーの正面玄関には、ホテルハイタワーのロゴと、紋章が飾られています。
この紋章に注目すると、貝殻の中央にある球体に剣が突き刺さっているのが見えます。
その両側にはドラゴンがいて、貝殻の下には「MUNDUS MEA OTSREA EST(世界は吾輩の牡蠣である)」と書かれています。
これだけだと紋章がなにを伝えたいのか分からないと思いますが、実は、この紋章にはハイタワー3世の傲慢さと支配欲が現れているのです。
ホテルの入り口上には、ステンドグラスがあります。
ステンドグラスに描かれている絵は、ハイタワー3世が地球の上に立ち、世界を支配しているかのようにも見えます。
そして、周りにはシェイクスピアの作品から引用した言葉で「この世は牡蠣のようなもの。私の剣で貝を開いてみせよう」と書かれています。
つまり、先ほどの紋章にあった貝殻は牡蠣で、球体は地球を表していて、地球を剣で刺しているということです。
紋章やステンドグラスからもハイタワー3世の欲深さ、傲慢さが伝わってきますね。
ちなみに、ステンドグラスに描かれているハイタワー3世の持っている杖は、ホテルハイタワーのあるニューヨーク、つまりハイタワー3世の拠点を示しています。
「ハイタワー」=「高塔」?
タワー・オブ・テラーのロビーにある暖炉には、ハイタワー3世の肖像画が飾られています。
その暖炉をよく見ると漢字で「高塔」という文字があります。
これは、“高=high(ハイ)”、”塔=tower(タワー)”という洒落たジョークなのです。
また、肖像画の下に注目すると脚だけになった像が見えることから、像を壊して自分の肖像画を置いたと考えられます。
ハイタワー3世はレイジングスピリッツでも強奪をしていた?
ディズニーシーのアトラクションの1つに『レイジングスピリッツ』がありますが、そのファストパス発券機のそばに、発掘道具と一緒に木箱が置いてあります。
その木箱に注目してみると、「TO THE HIGH TOWER TRUST AVENUE 1 PARK AVENUE NEW YORK」と、ホテルハイタワーの住所が書かれています。
ハイタワー3世は、レイジングスピリッツも訪れていたとも考えられます。
また、ホテルのロビーにもレイジングスピリッツに訪れたと思われる絵が飾られていて、その他にも彼の偉大さを誇示するかのような絵が飾られています。
まとめ:タワー・オブ・テラーのストーリー解説!シリキ・ウトゥンドゥを知れば怖さ倍増?
以上、タワー・オブ・テラーの隠されたストーリーやトリビアを紹介しました。
タワー・オブ・テラーは、外装や内装だけでなく、ストーリーもかなり作りこまれていることが伝わっていれば幸いです。
ストーリーを知るっていると、待ち時間にタワテラの内装や飾りを見るのも楽しくなりますし、また違った面白さに気付けると思います。
ぜひ、タワー・オブ・テラーに足を運んでみてください。
以上、【タワー・オブ・テラーのストーリー解説!シリキ・ウトゥンドゥを知れば怖さ倍増?】という記事でした。
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