みなさんは、『オズワルド・ザ・ラッキー・ラビット』というキャラクターをご存じでしょうか?
ほとんどショーやパレードにも出演していないので、知らないという方もいらっしゃるかもしれません。
もしかしたら、オズワルドを知っている方の中には「ミッキーに似ているキャラクター」という認識の方もいらっしゃるかもしれませんが、実はミッキーよりオズワルドの方が先に誕生したキャラクターだったりします。
なので、実際は「ミッキーがオズワルドに似ている」というのが正解。
そんなどちらかというとマイナー寄りのオズワルドには、「悲劇…」ともいえる過去があります。
そこで今回のブログでは、ディズニーキャラクターの『オズワルド』について紹介します。
●ディズニーキャラクター”オズワルド”について
●オズワルドとミッキーの関係
●オズワルドとユニバーサルの関係
見た目が似ているミッキーとオズワルドですが、二人にはどのような関係があるのか、キャラクター誕生の歴史を紹介していきます。
オズワルド・ザ・ラッキー・ラビットというディズニーキャラクターについて
出典:Disney
“オズワルド“とは、ウォルト・ディズニーによって生み出された「ウサギ」がモチーフのディズニーキャラクターの1人です。
本名は、”オズワルド・ザ・ラッキー・ラビット(幸せウサギのオズワルド)“といいます。
1927年に公開された『トロリー・トラブルズ』という短編作品で登場して以降、多くのグッズが販売されるなど、一躍大人気キャラクターとなりました。
よく「ミッキーに似ている」という声も聞きますが、ミッキーが誕生したのは1928年なので、実はオズワルドの方が先に誕生したディズニーキャラクターなのです。
1927年に『トロリー・トラブルズ』が公開された後、約1年間でオズワルドがメインの短編作品が全26作品も公開され、シリーズものとして大ヒット!
オズワルドの人気が上昇するとともに、ディズニー社もアメリカの超有名なアニメーション会社へと急成長していきました。
まさに「幸せウサギ」という感じですね。
ここまでに紹介した内容だと、今頃ミッキーマウス並みの世界的人気キャラクターになっていてもおかしくないくらいの活躍ぶりに感じると思います。
しかし、オズワルドの誕生から約1年後に「悲劇」とも言える出来事がやってくるのです。
引き続き、オズワルドの過去を深堀していきます。
オズワルドの版権を巡りディズニーとユニバーサルが揉めた?
もともと、”ウォルト・ディズニー“と”アブ・アイワークス(ディズニーのアニメータ)”は、当時、映画プロデューサーで配給業者でもある”チャールズ・ミンツ“の下で実写を織り交ぜたアニメーション『アリス・コメディー』シリーズを制作していました。
チャールズ・ミンツとはユニバーサル・ピクチャーズの仲介役で、立場的には、ユニバーサル>チャールズ・ミンツ>ディズニーという感じです。
後に『アリス・コメディー』シリーズが下火になり、ミンツの指示で新しいアニメーションシリーズを企画することになりました。
そして、2人は実写なしのフルアニメーションの制作を開始し、そこで誕生したのが”オズワルド・ザ・ラッキー・ラビット”です。
誕生後は、上記で紹介したように一躍大人気キャラクターとなります。
しかし、オズワルド誕生から約1年後、ディズニーとユニバーサルとの間に金銭トラブルが勃発します。
この時、オズワルドというキャラクターを考案したのはディズニーでしたが、ユニバーサルの配給でアニメが制作されていました。
そのため、法律上版権はディズニーには無く、著作権を管理、所有していたのは、当時ユニバーサルとディズニーの中間で下請けをしていたチャールズ・ミンツだったのです。
ディズニーは人気作品のオズワルドシリーズに資金を注ぎ込んで制作していましたが、配給側から支払われる金額は一向に上がっていかなかったため、契約交渉に出向きます。
しかし、帰ってきた答えは、「オズワルド等の版権はすべてチャールズ・ミンツとユニバーサル・ピクチャーズに所有権があるため、勝手な作品作りは認めることができない」という内容でした。
結局、交渉は決裂。
このような経緯があり、オズワルドはユニバーサル・ピクチャーへと渡ってしまいました…。
ディズニーのスタッフも引き抜かれてしまう
オズワルドを手放すことになってしまったディズニー・カンパニーですが、さらに最悪なことに、ミンツによって秘密裏に行われていた引き抜き工作によって多くのスタッフも引き抜かれてしまいました。
スタジオに残ったのは、ウォルトディズニーとアブアイワークス、そしてウォルトの兄であるロイディズニーの3人だけでした。
人気キャラクターの版権と有望なスタッフを当時に失ってしまい、絶望の淵に立たされてしまいます。
このオズワルドの苦い経験から、ウォルト・ディズニー・カンパニーは著作権に対しての向き方を改めたと言われています。
そして「ミッキーマウス保護法」とも揶揄される、非常に厳しい版権管理体制が敷かれるようになりました。
オズワルドを元にミッキーマウスが生まれた
大ダメージを受けたウォルト・ディズニー達でしたが、それでも自分たちの仕事に全力で取り組みました。
日中は契約が終了するまでオズワルド作品を制作し、夜になれば会社の再建のために新しいキャラクターの制作を行っていました。
そして1928年に誕生したのが、今なお世界中で愛され続けている人気キャラクター『ミッキーマウス』です。
ミッキーマウスのデザインは、オズワルドを元にしており、親しみを感じる丸みのあるデザインはオズワルド譲りとも言えます。
また、ミッキーの原案は、オズワルドの作中に登場した脇役のネズミという説もあります。(ウォルト・ディズニーが飼っていたネズミという説もあります)
なので、オズワルドというキャラクターがいなければ、今のミッキーマウスというキャラクターは誕生していなかった可能性もあります。
ミッキーマウスの誕生後、デビュー作でもある『蒸気船ウィリー』が公開されると一躍大人気に!!
そして、世界中で知らない人はいないというくらい人気キャラクターとなりました。
ミッキーマウスという新しいキャラクターの誕生で、ディズニーカンパニーはすさまじい勢いで成長を遂げて行きます。
▶ミッキーマウス展THE TRUE ORIGINAL & BEYONDに行ってきた
ユニバーサルに行ったオズワルドのその後…
ミッキーマウスは、誕生してからすさまじい勢いで人気を集めていました。
一方、ユニバーサルへと渡ったオズワルドがどうなったかというと、ミッキーとは対照的に人気が低迷していってしまいます。
オズワルドの人気が無くなってしまった理由は2つ。
1つ目の理由は、「オズワルドのデザインが変更された」ということです。
ユニバーサルへ行ったオズワルドは、たびたびデザインの変更が施されていきました。
表情を鮮明にするために頭を大きくして頭身も低くして、人間の子供の立ち姿のようなスタイルになったり、黒い楕円の目に三角のスリットが加えられたりしました。
また、衣装を身に着けるようにもなるのですが、「半ズボン、白手袋、靴」と、まるでミッキーマウスを意識したかのような姿に…。
さらに、自然な形を重視するためにステレオタイプな「ウサギのキャラクター」へと大幅に改変がなされます。
もはやディズニーやアイワークスらが誕生させたオズワルドとは、別物レベルで姿形が変わってしまいました。
何度もデザインの変更が行われたオズワルドですが、以前のような人気は得られませんでした…。
そして、オズワルドの人気低迷の理由2つ目は、「他の人気キャラクターの誕生」です。
ディズニーでミッキーマウスという新しい人気キャラクターが生まれたように、ユニバーサルでも新たな人気キャラクターが登場しました。
そのキャラクターというのが、『ウッディ・ウッドペッカー』です。
キツツキをモチーフにしたキャラクターで、派手な見た目と特徴的な笑い声が人気のユニバーサルのメインキャラクターです。
その他、『アンディ・パンダ』など人気のあるキャラクターが登場すると、オズワルドが活躍する場も減り、1943年を最後にオズワルド作品は制作されなくなりました。
このように、ユニバーサルへ行ったオズワルドは、デザインの改変が不評、他人気キャラクターの台頭で表舞台から姿を消していまったのですね。
ユニバーサルスタジオジャパンにてオズワルドのグッズが販売されていた
そんな不遇なオズワルドですが、実は2001年に日本にオープンしたユニバーサル・スタジオ・ジャパンでグッズが販売されていたそうです。
USJで販売されていたオズワルドグッズのカラーは、今とは異なりブルーを基調にしたカラーでした。
ただ、そのグッズもあまり売れてはいなかったようです…。
2006年にオズワルドがディズニーに帰ってくる!
誕生から1年足らずでユニバーサルへと行ってしまったオズワルドですが、2006年にディズニーに帰ってきました。
78年ぶり、半世紀以上の時を経て再びディズニーの元へ戻ったのですが、その経緯に何があったのでしょうか。
それは、「ディズニー時代に作られたオズワルド作品」と、「ディズニー傘下のテレビアナウンサー」の交換が行われたからです。
当時、ユニバーサルはアメリカンフットボール中継の放映権を獲得したものの、ノウハウが少なかったこともあり番組制作が難航していました。
そこで、ユニバーサルより前にアメフト放映権を持っていた、ディズニー傘下のテレビアナウンサーが欲しかった。
しかし、もちろんディズニー傘下のテレビ局も、ライバル局に自社アナウンサーを、そう簡単に移籍させることはありません。
そこで、ユニバーサル側はアナウンサーを引き抜く交換条件に「オズワルドの権利をディズニーに返還」することを提案。
このような経緯があり、オズワルドは再びディズニーの仲間となったのです。
<都市伝説>ウォルトの遺言
オズワルド関連の都市伝説、噂はいろいろあるのですが、その1つに「いつかオズワルドを取り戻せ」というウォルトが遺言を残したというものがあります。
本当かどうかは分かりませんが、ウォルトはオズワルドを決して忘れてはいなかったと思います。
残念ながらウォルトはいませんが、これから徐々に知名度を上げて、ミッキーたちのような人気者になっていってほしいですね。
オズワルドの現在
2006年にディズニーへと戻ってきたオズワルド。
その後は、ディズニー関連の作品へ登場したり、グッズが販売されたり、徐々に露出が増えていきます。
スマホゲーム「ツムツム」に登場したり、東京ディズニーシーで期間限定グリーティングが開催されたこともありました。
そして、東京ディズニーリゾートでは、オズワルドがモチーフのグッズも販売されています。
そして、『エピック・ミッキー』という任天堂Wiiのゲームでは、オズワルドとミッキーの共演が果たされました。
エピック・ミッキーでは、オズワルドはかつては人気だったものに人々に忘れられた存在として登場し、自分のスターの座をミッキーに奪われたと敵視しています。
冒険を進めていくことで、二人は和解を果たします。
気になる方は、ぜひプレイしてみてください。(Wiiのソフトですが…)
また、続編にあたる『エピック・ミッキー2』では、オズワルドを操作することも可能となっています。
これからもどんどん知名度を上げて、たくさんグッズ展開されたり、またグリーティングで登場してきてほしいです!!
まとめ:オズワルドはミッキーの原型?ディズニーとユニバーサルが版権の関係で揉めた?
ディズニーキャラクターの”オズワルド”について紹介しました。
あのミッキーマウスよりも先に誕生していたにも関わらず、「悲劇」ともいえる出来事がありディズニーから離れて行ってしまったオズワルド。
再びディズニーへと戻ってきてくれて嬉しく思います。
これから徐々に人気を挙げて行って、グッズ展開や新作アニメなんかが出てきてくれたら最高ですね。
オズワルドのグッズは、東京ディズニーリゾートにもありますので、気になった方はぜひ手に取ってみてください。
以上、【オズワルドはミッキーの原型?ディズニーとユニバーサルが版権の関係で揉めた?】という記事でした。
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※本ページの情報は2021年6月時点のものです。最新の配信状況は各動画配信サイトにてご確認ください。
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